
製造現場において異物混入が発生してしまうと、製品の品質低下を招くだけでなくクレームや最悪の場合リコールまで発展する恐れがあります。また、顧客からの信頼を失い企業としての生産活動が立ち行かない危険性も。異物混入発覚後は生産ラインを停止して原因調査・対応コストなどを行わなければならないため、企業全体に大きな打撃を与えてしまいます。このように異物混入は企業にとってデメリットしかありません。
そこで異物混入を防ぐためにはまず、「どこから・なぜ混入するのか」を正しく理解する必要があります。本記事では、製造現場で起きる異物混入の主な原因を紹介し、それぞれの対策についてわかりやすく解説します。
異物混入トラブルは不良品発生の原因につながります。詳しくは「【改善事例も】製造業における不良品発生の原因とは?効果的な対策方法を詳しく紹介!」をご覧ください。
異物混入とは
異物混入とは、製品の製造・加工・搬送などの全工程において、本来含まれるべきでない物質や物体が製品に混入することを指します。
主に異物として混入してしまうものとしては以下の通りです。
- 金属片
- 樹脂片
- ガラス
- 木片
- 油分・水分・薬品などの液体
- 毛髪
- 虫
- ホコリ
混入する工程や原因もさまざまであるため、対策には原因ごとの正確な把握と、工程全体を見渡した管理体制が求められます。
製造現場で起きる異物混入の主な原因
多くの現場において異物混入トラブルが起こるのは、特定の一箇所だけではありません。原材料の受け入れから製造・搬送・保管に至るまで、あらゆる工程に混入リスクが潜んでいます。原因を大きく分類すると、以下の5つに整理することができます。それぞれの原因を見てみましょう。
1. 原材料・部品に混入していた
仕入れた原材料や部品そのものに、すでに異物が混入しているケースです。サプライヤーの製造工程や保管環境に問題がある場合に発生しやすく、自社の製造ラインに入った時点で異物が混じっている状態になります。受け入れ検査が不十分だと、そのまま製品に混入するリスクが高まってしまいます。
2. 製造設備・機械が摩耗・劣化している
製造設備や機械は定期的にメンテナンスを行わないと、部品が摩耗・劣化し、破損個所から金属粉・樹脂片・ゴム片などが発生して製品に混入する恐れがあります。特に高速回転する部品や特定箇所に圧力がかかる部品、摩擦が繰り返し生じる箇所は摩耗・劣化が進みやすく、一見すると通常通り動いているものでもしっかり内部の点検を行わなければ発見できないことも多いです。
金属片の脱落について「【医薬業界向け】金属片が製品に混入する原因とは?リスクや防ぐ方法をわかりやすく紹介」もご覧ください。
3. 配管・流路内が汚染されていた
液体や気体を搬送する配管・流路の内部に、スケール(水垢・錆)や異物が堆積し、それが流れに乗って製品や工程流体に混入するケースです。配管内部は目視確認が難しいため、汚染が進行していても気づきにくいという特徴があります。特に長期間メンテナンスが行われていない配管では、剥離したスケールや錆が一度に大量に流出するリスクもあります。
4. 作業員の不注意・ヒューマンエラーが起きた
作業員の不注意や手順ミスによって異物が混入するケースです。工具や部品の置き忘れ、ボルト・ナットの紛失などの不注意によりそれらが製品に混入することもあれば、毛髪・汗・皮脂などの人由来の異物が意図せず混入してしまうこともよくあります。さらに本来Aの材料をBに入れる工程にもかかわらず、Cの材料をBに入れてしまうといった手順ミスも往々にして見られます。
5. 包装・搬送・保管時に混入した
製造工程が完了した後、包装・搬送・保管の段階で異物が混入するケースです。梱包材が破損していた、搬送中の振動により部品がかけてしまった、保管する際の温湿度が適切で放ったなどが原因として挙げられます。製造工程での対策が万全であっても、この段階での管理が甘いと最終製品に異物が混入するリスクがあります。
異物混入を防ぐには
異物混入を防ぐためには、原因ごとに適切な対策を組み合わせることが重要です。中でも「教育・ルール整備」といったソフト面の対策だけでなく、「設備・フィルター導入」といったハード面の対策を併用することで、より確実に異物混入を防げます。以下では、先述した6つの原因それぞれに対応した対策を解説します。
対策1. 原材料・仕入れ管理を徹底する
仕入れ段階での異物混入を防ぐには、サプライヤーの品質管理体制の確認と、受け入れ検査の強化が基本となります。取引先に対して品質基準を明示し、定期的な監査や検査結果の共有を行いましょう。また、受け入れ時には目視検査だけでなく、異物検査を効率的に行えるツールの活用も有効です。原材料の段階で異物を排除できれば、その後の工程全体の異物混入リスクを大幅に減らせるでしょう。
対策2. 定期的に設備の点検・メンテナンスを行う
設備の摩耗・劣化による異物発生を防ぐには、定期的な点検とメンテナンスを実施しましょう。特に摩耗しやすい部品については耐用年数よりも早い交換サイクルを設定し、計画的に管理することで異物が発生することを防げます。また、点検時には異物の発生源となりやすい箇所を重点的に確認し、異常の早期発見に努めましょう。これまで摩耗・劣化・破損が起きている箇所は記録しておき、再発防止に取り組むとさらに異物発生リスクを抑えることができます。このように設備の状態を常に把握し、劣化が進む前に対処できるように心がけましょう。
定期的な設備保全は異物混入防止に効果的です。「【製造業向け】設備保全とは?設備保全の種類や現場のよくある課題、保全効率を高めるためのポイントを詳しく解説!」をご覧ください。
対策3. 配管・流路にフィルターを設置する
配管・流路内が汚染されていても異物混入を防げる手段として、フィルターが挙げられます。配管の要所にフィルターを設けることで、スケールや錆・異物粒子を物理的に捕集し、流体や製品への混入を防ぐことができます。特に目視確認が難しい配管内部の汚染に対しては、フィルターによるろ過がコストパフォーマンスの観点からしても最適です。ただしフィルターの性能・材質・ろ過精度が左右するため、可能な限り高性能なフィルターを導入・切り替えましょう。
対策4. 作業員教育・ヒューマンエラー対策を実施する
ヒューマンエラーによる異物混入を防ぐには、作業手順の標準化を行い徹底した教育を実施しましょう。まずは改めて作業フローを見直し、だれでも同じような作業手順で進められるよう標準化マニュアルを作成します。その後、作業前後の工具・部品の数量確認(ツールカウント)や、入室時の異物持ち込み防止ルールを整備しましょう。あわせて5Sを徹底することでヒューマンエラーを大幅に減らすことができます。これにより作業品質のばらつきや部品の紛失など作業員の不注意・作業ミスをなくせます。
ただし、上記のようなソフト面での対策だけに頼ることには限界があります。チェックリストの活用や、異物混入が起きにくい作業環境・設備レイアウトの整備など、ハード面と組み合わせた多重防止策を講じるとさらにリスク回避につながります。
5Sについて詳しくは「【分かりやすい!】 5S活動とは?その目的やメリット、実践的に進める方法や手順などを詳しく解説!」をご覧ください。
対策5. 包装・搬送・保管ルールを整備する
製造後の工程での混入を防ぐには、包装・搬送・保管に関するルールを明確化し、現場全体で徹底できるようにしましょう。例えば梱包材の品質基準の設定、搬送時の振動・衝撃対策、保管環境の温湿度・粉塵管理などが具体的な対策として挙げられます。また、製造工程と同様に、この段階でも異物混入が発生した際のトレーサビリティを確保しておくことが、迅速な原因特定と再発防止につながります。
異物混入対策にはニチダイフィルタの積層焼結金網フィルターがおすすめ
上記のように異物混入対策としてフィルター製品の導入は欠かせません。そのフィルター製品の中でも、ニチダイフィルタの積層焼結金網フィルターは製造現場から高性能なフィルターとして多くの現場で選ばれています。
積層焼結金網フィルターとは、複数の金網層を重ねて独自の拡散接合技術で複数層のステンレス製の金網を一体化させた金属製フィルターです。単純な金網とは異なり、各層の金網の網目が互いに交差することで、微細で均一なろ過構造を実現します。さらに金属製で複数層が焼結されているため耐久性が高く、樹脂製フィルターでは対応が難しい高温・高圧・腐食性流体といった過酷な環境でも安定して使用できます。

ほかにも積層焼結金網フィルターは、使い捨てではなく洗浄して繰り返し使用できるというメリットがあります。金属製で耐久性が高いため、逆洗・薬品洗浄など複数の洗浄方法に対応しており、目詰まりが発生しても再生洗浄によって汚れを落として再び元のろ過精度を回復させることができます。使い捨てフィルターと比較して長期的なコストを大幅に抑えられるため、導入後のランニングコスト削減にも貢献できます。環境負荷の低減という観点からも、再使用可能な点は大きなメリットです。

積層焼結金網フィルターは上記のような特長をもつ高性能なフィルターとして、自動車・半導体・食品・化学・医薬品など幅広い業種の製造現場で活用されています。さらにニチダイフィルタでは、使用環境・流体の種類・必要なろ過精度に応じたカスタマイズ製作にも対応しており、既製品では解決が難しい課題にも柔軟に応えることができます。
異物混入トラブルを抑えるには高性能なフィルターを導入しよう
製造現場における異物混入は、原材料・設備・配管・ヒューマンエラーなど、あらゆる工程に原因が潜んでいます。それぞれの原因に対してルール整備や教育といったソフト面の対策を講じることはもちろん重要ですが、フィルターによる物理的な異物除去というハード面の対策を組み合わせることで、より確実な防止体制を構築することができます。
異物混入対策のフィルター選定でお悩みの方は、ぜひニチダイフィルタの積層焼結金網フィルターをご検討ください。ニチダイフィルタは積層焼結金網フィルターの生産能力で世界一を誇るメーカーとして、50年以上の実績と技術力でお客様のあらゆるニーズにお応えしています。設計から製造、アフターサービスまでの一気通貫体制により、現場の課題に的確にお応えします。なにかお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
\ 自社の工程にも合う? /
案件規模に問わずご相談・お見積りはお気軽にお問い合わせください



