MENU CLOSE

ブログ・コラム

【改善事例も】製造業における不良品発生の原因とは?効果的な対策方法を詳しく紹介!

2025/07/08

  • 業務改善の紹介

本記事では、不良品発生の根本原因を4M分析で体系的に解説し、効果的な対策方法をご紹介します。特に見落としがちな異物混入対策についても詳しく解説しますので、不良率削減に悩む製造現場の方は必見です。

製造業において不良品の発生は、原材料費の無駄や再加工コスト、生産ライン停止による機会損失、さらには顧客からの信頼低下などを引き起こすリスクがあります。そのため、可能な限り不良品の発生を防ぐ必要があります。

製造業における不良品とは?

製造業における不良品とは、設計図や製品仕様書に記載された基準値や許容範囲から逸脱した製品、または顧客の期待する品質水準を満たさない製品のことを指します。

具体的には、設計図面で指定された寸法、材質、表面処理などの要求事項を満たさない製品や、製造工程で発生する加工精度のばらつきや作業ミスにより図面通りに製造されなかった製品が該当します。

品質管理における4M分析の重要性

品質管理における4M分析は、製造現場で発生する不良品の発生原因を体系的に分析するための重要な手法です。4MとはMan(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)の4つの要素を指し、これらすべてが製品品質に大きな影響を与えます。
Man(人)は作業者のスキルや経験、疲労度などの人的要因を表します。Machine(機械)は設備のメンテナンス状態や稼働能力、レイアウトなどの設備要因です。Material(材料)は原材料の品質、供給状態、保管状況などの材料要因を指します。Method(方法)は作業方法、マニュアル、規則などの方法要因です。
これら4つの要素は相互に関連し合っており、どれか一つでも問題があると不良品が発生する可能性が高まります。そのため不良発生時には各要素を段階的にチェックし、チェックシートやフローチャートを活用して客観的なデータに基づいた分析を行いましょう。4M分析により感覚的な判断を避け、真の原因究明と効果的な対策立案が可能になります。

製造業で不良品が発生する根本原因

製造業で不良品が発生する原因を4M分析で解説します。

Man(人)に起因する不良原因

人的要因による不良発生は製造現場でよく見られる問題の一つです。
ヒューマンエラーやポカミスは主に作業者の疲労、集中力の低下、慣れによる注意散漫などが原因で発生します。また、作業者のスキル不足や教育不足により、正しい作業方法を理解せずに作業を行うことでも不良品の発生原因につながります。

Machine(機械)に起因する不良原因

機械・設備に起因する不良は、設備の老朽化やメンテナンス不足が主要な原因です。定期的な点検や部品交換を怠ることで設備の精度が低下し、不良品が発生してしまう確率を高めてしまいます。また、機械の誤動作や設定ミスにより、意図しない加工条件で製品が製造されることがあります。ほかにも設備のキャリブレーション不足、温度や圧力などのパラメータ設定の誤りも不良品発生の要因です。

Material(材料)に起因する不良原因

材料に起因する不良は、主に原材料の品質不良や仕様違いから始まります。サプライヤーから受け入れた材料が規格を満たしていない場合、製造工程で問題が発生しやすくなります。また、受入検査の不備や検査項目の不足により、不適合品が製造ラインに流入することも不良品発生要因の一つです。
さらに製造工程での異物混入も深刻な品質問題で、外部からの塵・埃・異物の侵入、ろ過工程での除去不足、フィルターの性能劣化や目詰まりなどが原因となります。

Method(方法)に起因する不良原因

方法に起因する不良は、作業手順書の不備や更新不足などが主要な原因となります。作業手順が曖昧で詳細が不明確な場合、作業者によって解釈が異なり一貫性のない作業が行われてしまうことで、不良品の発生確率を高めてしまいます。また、検査方法や判定基準も曖昧な場合も同様に、不良品が発生してしまう可能性があります。

不良品を効果的に削減する方法

不良品を出さないためにはどのような方法が効果的でしょうか。以下のような対策がおすすめです。

作業手順の標準化と教育の徹底

作業手順の標準化・マニュアル化や教育の徹底は不良品削減に取り組む中で最も重要な方法です。作業手順書の整備・更新により、誰が作業しても同じ品質の製品を製造できる体制を構築できます。その際、手順書は現場の実情に合わせて定期的に見直し、最新の技術や改善事項を反映させることが必要です。
従業員への教育においては、新人教育から熟練者のスキルアップまで、段階的な教育体系を整備することが重要です。あわせて5S活動の整理・整頓・清掃・清潔・躾を徹底すると、さらなる改善につながります。これらの活動は単発で終わらせるのではなく継続的に実施することで、組織文化として定着させることができ、不良品の抑制に大きく貢献します。

設備更新や高性能な設備の導入

設備の更新と高性能な設備を導入することで、不良品発生率を大幅に削減できます。なぜなら、老朽化した設備は故障リスクが高く、品質の安定性に悪影響を与えるためです。
そこですべての既存設備に対し、計画的に更新・メンテナンス強化を実施しましょう。こうした予防保全の徹底により設備の性能を最適な状態に維持することが重要です。
特に高性能なフィルターの導入は異物混入防止に効果的です。従来フィルターの限界を超える精密ろ過により、微細な異物の除去確率を高めます。中でも先端技術を応用した積層焼結金網フィルターは、従来品と比較して高い除去性能を実現します。
積層焼結金網フィルターについて詳しくはこちらをご覧ください。

品質の管理強化

不良品発生の要因の一つである、低品質な材料の流入を防止することも重要です。まずはサプライヤー評価・監査の強化により、調達段階から材料の品質を確保します。また、定期的な監査により、サプライヤーの品質管理体制や製造能力を客観的に評価し、継続的に改善を行えるようにしましょう。
さらに受入検査体制の強化では、統計的手法を活用したサンプリング検査や、重要部品に対する全数検査の実施により、不適合品の社内流入を防止します。あわせて検査員のスキル向上と検査設備の精度管理も重要な要素なため、全社的な教育・スキル向上プログラムの開催もおすすめです。

継続的改善の仕組み化を導入

品質向上を持続可能なものにするため、継続的改善の仕組み化を導入しましょう。
仕組み化の第一歩として、品質を管理するシステムを構築し、品質データの収集・分析・改善活動を体系的に管理します。ISO9001などの国際規格に基づく品質マネジメントシステムの構築により、組織全体での品質活動を標準化できます。
ニチダイフィルタは積層焼結金網のフィルター製品の設計・製造販売において、ISO9001の認定を取得しています。
次に収集したデータを統計的品質管理手法などのフレームワークを活用し、不良品の発生傾向や要因を客観的に把握します。リアルタイムで計測できると、問題の早期発見と迅速な対応が可能になります。
このようなPDCAサイクルの定着により、計画→実行→確認→改善のサイクルを継続的に回し、品質レベルの向上を図ります。さらに全従業員が改善活動に参画する仕組みづくりにより、組織全体の品質意識向上と持続的な改善を行える文化を醸成できるでしょう。

不良品削減に成功した企業事例

ここでは不良品発生を抑えることに成功した企業の例を紹介します。

課題

産業設備機器メーカーである企業Aでは、製造工程での異物混入問題に頭を悩ませていました。月に10件以上異物混入が発生し、そのたびに生産ラインが2〜4時間停止する事態が続いていました。この生産停止により、稼働ロスが発生し、不良品も度々発生したり納期遅延を招いていたりしていました。

対策

企業Aは異物混入問題を解決するべく、従来のフィルター性能よりも高性能なフィルター導入を検討していました。数あるフィルターの中でも、特に性能面が優れており、細かいニーズにも応えてくれるニチダイフィルタの「積層焼結金網フィルター」の導入を決定しました。

導入プロセスでは、まず主要な製造ラインから段階的に実施し、効果を検証しながら全工程への展開を進めました。企業Aの製造環境に最適化された仕様にカスタマイズされ、既存設備との互換性も確保されました。

導入効果

積層焼結金網フィルター導入後、企業Aでは大きな改善効果が現れました。長年悩んでいた課題の異物混入による生産停止は月1回以下まで激減し、稼働率が大幅に向上しました。また、異物混入がほとんどなくなったため、不良品発生率も大幅に改善され、顧客満足度の向上と新規受注の獲得にもつながっています。

メンテナンス面では、フィルター交換頻度やそれに伴うメンテナンスコストを大幅に短縮することに成功しました。また、「再生洗浄サービス」を活用することで、トータルコストの削減も実現しています。

このように積層焼結金網フィルターを導入後、コストの大幅な削減を実現し、競合他社に対する優位性を確立しています。現在では、積層焼結金網フィルターが同社の品質管理の核となり、持続的な事業成長を支える重要な要素となっています。

不良品削減を成功させるための重要ポイント

不良品を削減するためには以下のようなポイントを意識しましょう。

原因分析の精度向上を意識する

原因分析の精度を高めることは、不良品発生を効果的に抑制することにつながります。

具体的には原因分析で代表的なフレームワークである「なぜなぜ分析」の実施により、表面的な原因ではなく真の根本原因を特定することができます。このように「なぜ」不良品が発生したのかという問いから、5回以上なぜを繰り返すことで、問題の本質に迫り効果的な対策を立案できます。

なぜなぜ分析に加えて、データに基づいた客観的な分析を可能にすると、感覚や経験に頼らないデータドリブンなアプローチが実現できます。さらに3現主義(現場・現物・現実)の実践により、実際の現場で発生している現象を正確に把握し、事実に基づいた分析を行います。机上の理論ではなく、現場の実情を踏まえた分析により、実効性の高い改善策を導き出すことができます。

予防保全への投資を行う

先述したように、予防保全は不良品発生の抑制に欠かせません。しかし、予防保全には相応の投資が必要となるため、その効果を客観的に評価することが重要です。

まず、設備投資ROIの算出方法を理解しましょう。初期投資額や維持費用といったコストと、削減できる不良コスト、生産性向上効果といった収益を総合的に評価することで、投資対効果を客観的に判断できます。

次に、長期的なコストの削減効果の評価を行います。設備の耐用年数全体を通じたトータルコストを算出し、予防保全投資の経済的メリットを検証しましょう。短期的にはコスト増加となっても、長期的な視点で総合的に判断することが成功の鍵となります。 このような段階的なアプローチにより、適切な投資判断を行い、持続可能な不良品削減を実現できます。

不良品ゼロを目指すなら高性能フィルターが鍵

製造業の不良品発生において「異物混入」は見過ごされがちな要因です。従来フィルターでは除去できない微細な異物が製品品質を低下させ、生産ラインの停止や顧客クレームなどを引き起こしています。この課題の根本解決には、高精度なろ過性能を持つフィルターへの更新が必要です。

ニチダイフィルタは積層焼結金網フィルターの生産能力で世界一を誇るメーカーとして、50年以上の実績と技術力でお客様のあらゆるニーズにお応えしています。設計から製造、アフターサービスまでの一気通貫体制により、現場の課題に的確にお応えします。なにかお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

ページトップへ戻る