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ブログ・コラム

【わかりやすい】生産計画とは?生産計画の立て方や作成する上での課題とその解決策を詳しく解説

2025/12/18

  • 業務改善の紹介

製造業において、納期遵守と生産効率を高めることは企業の競争力を大きく左右します。そのためには適切な「生産計画」が必要です。

適切な生産計画を立てることで、各工程の担当者が詳細な日程を把握でき、部門間の連携がスムーズになります。その結果、業務効率化や納期遵守率の向上、在庫の最適化といった効果が期待できます。

本記事では、製造部担当者の皆様に向けて、生産計画の基礎知識から具体的な立て方、現場で直面しやすい課題とその解決策まで、実務に役立つ情報を網羅的に解説します。

製造業の生産性向上について詳しくは「【分かりやすい】製造業における生産性向上とは?重要性や具体的な方法などを詳しい解説!」をご覧ください。

生産計画とは 

生産計画とは、自社で取り扱う製品・商品を受注した際、いつまでに、どのくらいの量を生産するべきかを計画したものです。製品の製造から出荷までに必要なすべての工程を含めた計画を立てるため、各工程の詳細な計画・日程を把握できます。

例えば、原料調達、製造、検査、組み立て、出荷といった各工程の計画を立てることで、工程ごとの詳細や生産計画全体を可視化することが可能です。結果、各工程に携わる担当者への指示が計画全体を踏まえたものとなるため、工程間の連携がスムーズになります。

製造計画との違い

生産計画と混同されやすい用語に「製造計画」があります。製造計画とは、製品を製造するプロセスの各種制約を考慮し、効率的かつ実行可能性のある計画を立案することを指します。具体的には、作業に着手する日程、その間に製造する予定数、次工程へ製品を渡せる詳細な日程などを計画します。

つまり、製造計画は生産計画の一部であり、対象とする範囲が異なる点が大きな違いです。生産計画がより広範囲な視点で全体を俯瞰するのに対し、製造計画は製造工程に焦点を当てた詳細な計画となります。

生産計画の種類

生産計画には2つの種類があります。押し出し方式(プッシュ型生産)と引っ張り方式です。

種類メリットデメリット
押し出し方式・計画通りに作業を進めやすい ・安定した生産体制を構築できる ・納期管理がしやすい・急な受注量の増加や減少などの変化に弱い ・余剰在庫が発生するリスクがある ・需要予測の精度に依存する
引っ張り方式・余剰在庫が発生しにくい ・ムダな製造コストをかけずに済む ・顧客ニーズに柔軟に対応できる・受注が入った際に納期を確実に守れる生産体制を整えておかなくてはいけない ・生産キャパシティを超える受注が入る可能性がある ・現場はスムーズかつスピーディーな対応が求められる



押し出し方式(プッシュ型生産)

押し出し方式は、事前に立てた生産計画をベースに各工程を進める方式です。PUSH型とも呼ばれ、販売計画に基づいて生産計画を立てる方法となります。販売の見込みがある程度立てることができ、先行して製造を実施できる企業に最適な方式です。量産品や季節商品など、需要予測が比較的立てやすい製品に適しています。


引っ張り方式(プル型生産)

引っ張り方式は、顧客からの受注に対して生産計画を立てる方式です。PULL型とも呼ばれ、受注内容をベースに計画を立てるため、実需に応じた生産が可能になります。引っ張り方式は、受注生産や多品種少量生産に適した方式です。カスタマイズ製品や特注品など、顧客の個別要求に応える必要がある製品に向いています。

生産計画の立て方

生産計画は販売計画に基づいて立てるケースもあれば、受注が入ってからその内容をもとに立てるケースもあります。どちらのケースで生産計画を立てるにしても、漠然と計画を組むことは良しとされないため、期間を絞って段階的に計画を立てることが重要です。

生産計画は、以下の3つの階層に分けて立案します。

  1. 大日程計画:3~12ヶ月の長期計画
  2. 中日程計画:1~3ヶ月の中期計画
  3. 小日程計画:1~4週間の短期計画

各期間の生産計画において、具体的にどのような点に重点を置いて計画を立てるのかを理解しておくことが大切です。

大日程計画の作成

大日程計画とは、3~12ヶ月といった長期間にわたる生産計画です。主に過去の受注実績や、実際の納品実績のデータから分析をして立案した販売計画に基づいて作成します。

作成時には実際に製造が必要となる時期を見据えて、必要な人員数を用意する計画や設備を導入する計画を立案・作成しなければいけません。つまり、生産を実行するために必要な資源(人材・資金・モノ)を「用意」するための計画が大日程計画です。

作成に必要な情報としては以下です。

  • 過去の受注実績データ
  • 販売計画・需要予測
  • 現在の生産能力
  • 設備の稼働状況
  • 人員の習熟度

大日程計画を立てる際には、「負荷vs能力」のシミュレーションを行うことが重要です。将来の設備投資や人員採用・確保のために、想定負荷と社内の生産能力を比較し、社内生産能力で想定負荷をこなせるかを検証します。このシミュレーションにより、能力増強(設備投資や人員採用)や外注の活用を根拠を持って検討できるようになります。

中日程計画の作成

中日程計画とは、1~3ヶ月ほどの期間にわたる計画です。販売計画や実際の受注内容をもとに立案し、具体的にいつまでにどのくらいの数量を生産するかを計画します。

大日程計画で「用意」した資源を、具体的にどのように「活用」するかを計画するのが中日程計画です。

作成に必要な情報としては以下です。

  • 人員のシフト情報
  • 生産品目の構成
  • カレンダ情報(稼働日・休日)
  • 生産能力
  • 現在の在庫状況

なお、人員シフトや原料調達などの計画は変動する可能性が高いため、基本的に中日程計画は1~2週間ごとに見直しを行います。市場の変化や顧客からの急な要望に柔軟に対応するためにも、定期的な見直しは欠かせません。

小日程計画の作成

小日程計画とは、1~4週間ほどの期間にわたる計画です。短期スパンでの生産を必要とするケースを対象とした計画で、稼働する生産ラインや作業に配置される人員、実際の稼働予定時間や完了日などを踏まえて詳細に立案します。

各工程で必要になる数値(生産する設備等のリソースや生産開始・終了タイミング)が明確になるように作成しなければならず、場合によっては時間単位での計画になることもあります。

作成に必要な情報としては以下です。

  • 各設備のサイクルタイム
  • 作業員の習熟度
  • 段取り時間
  • 検査時間
  • 前後工程との連携情報

小日程計画は中日程計画や大日程計画と比較して詳細かつ複雑な計画になりやすいため、現場の状況をより深く理解しておかないと作成が難しいといった側面も持ち合わせます。また、緻密な計画を立てなければいけないため、毎日の稼働状況をもとに日々の見直し・修正を実施します。

日々、安定した製造が遂行されていれば問題ありませんが、機械の不具合や体調不良による急な欠員など、予測できない事態も多くあるため、短期間での見直しが必須です。

生産計画を作成する上での課題

生産計画を立てる際には、さまざまな課題に直面することがあります。ここでは、製造現場で特に多く見られる課題とその解決策について解説します。

需要予測の精度が低い

需要予測の精度が低いと、過剰在庫や欠品が発生し、生産計画全体に悪影響を及ぼします。特に押し出し方式を採用している場合、予測誤差が大きいと製造コストの増加や機会損失につながります。予測精度が低い状態では、せっかく立てた生産計画も実態とかけ離れたものになってしまい、現場に混乱をもたらす原因となるでしょう。

この課題を解決するためには、過去の受注データを詳細に分析し、季節変動や傾向を把握することが第一歩となります。加えて、営業部門との連携を強化し、顧客情報や市場動向をタイムリーに共有することで、より実態に近い予測が可能になります。

リードタイムが長い

製造リードタイムが長いと、顧客の納期要求に応えられず、ビジネス機会を逃すリスクがあります。また、仕掛在庫が増加し、キャッシュフローにも悪影響を及ぼします。特に近年は短納期化の要求が強まっており、リードタイムの長さが競争力の低下に直結するケースも少なくありません。

リードタイムを短縮するためには、まずPERT図やガントチャートを活用してボトルネック工程を特定することが重要です。ボトルネック工程が明確になれば、そこに集中的に改善リソースを投入できます。具体的には、段取り時間の削減に取り組むSMED(シングル段取り)の手法を導入したり、工程間の待ち時間を最小化したりすることが効果的です。

設備稼働率が低い

設備の稼働率が低いと、生産能力を十分に活用できず、製造コストが上昇します。一方で、稼働率を上げすぎると設備の負荷が高まり、故障リスクが増加するというジレンマがあります。

この課題に対しては、まず負荷シミュレーションを実施し、設備の適正稼働率を把握することから始めましょう。そのうえで、予防保全を徹底し、計画外停止を防止する体制を整えることが必要です。

稼働率と関連性の高い可動率について詳しくは「可動率とは?向上させるメリットと低下要因、効果的な改善策を徹底解説」をご覧ください。

特にフィルター性能は見落とされがち

中でもよく見落とされがちなフィルターの性能が低下すると、製品品質の悪化や設備の効率低下を招きます。特に、フィルターの目詰まりは製品品質への影響、設備効率の低下、計画外停止の発生、生産遅延のリスクといった複数の問題を引き起こします。

製品品質への影響としては、不純物の混入により不良品が増加することが挙げられます。設備効率の面では、流量や圧力の低下により生産速度が遅くなり、計画通りの生産量を達成できなくなります。さらに深刻なのは、フィルター交換のための緊急停止が必要になることです。これにより予定していた生産計画が達成できなくなり、納期遅延や顧客満足度の低下につながります。フィルターの性能低下は、小日程計画で緻密に立てたスケジュールを大きく狂わせる要因となるため、決して軽視できません。

この課題を解決するためには、まず定期点検を徹底することが重要です。フィルターの圧力損失を定期的に測定し、交換時期を適切に判断することで、突発的なトラブルを防げます。点検スケジュールを生産計画に組み込み、計画的な保全を実施することも欠かせません。

そして長期間フィルターを使用し続けている場合は、フィルターを交換することも視野に入れておきましょう。フィルターは消耗品のため、使用することで着実に性能は劣化していきます。この機会に高性能なフィルターへ切り替えをおすすめします。

フィルターを切り替えるなら人気の焼結フィルターがおすすめです。「焼結フィルターとは?仕組みやメリット、次世代技術である積層焼結金網フィルターについても解説!」をご覧ください。

生産計画の精度を向上させるポイント

生産計画を立てる際、以下のポイントを意識することで、修正を最小限に抑えられる計画の作成が可能です。精度の高い計画は、現場の混乱を減らし、安定した生産活動を支える基盤となります。

バッファを設ける

バッファとは「余裕」を意味し、設けることで欠員や製造トラブルなどが起きた際に柔軟に対応できるようになります。製造現場では予測できない事態が常に発生する可能性があるため、バッファの設定は現実的な計画を立てる上で不可欠です。

万が一の事態が発生して混乱を招かないためにも、できる限り設けるようにしてください。ただし、バッファを取りすぎると生産効率が低下し、コストが増加するため、適切なバランスを見極めることが求められます。

生産実績を元に計画の精度を確認する

過去の生産実績のデータがあれば、その内容をもとに計画の精度を確認しましょう。そうすることで、実態にあった無理・無駄のない計画が立てられます。理論値や標準時間だけでなく、実際にどれだけの時間がかかったかというデータは、計画精度を高める上で非常に価値があります。

生産管理ツールを活用する

生産計画はツールを利用することで、最適化を図りやすくなります。ムダのない生産計画や工程管理を実現するためにも、適切なツールを有効活用しましょう。例えば生産スケジューラや生産管理システム、ガントチャート、PERT図といったツールはおすすめです。 ツールごとに管理・把握できる内容が異なるため、自社の生産体制や課題に応じて適切なツールを選定することが重要です。また、ツールを導入するだけでなく、現場に定着させるための教育や運用ルールの整備も欠かせません。

PDCAサイクルを回す

生産計画は一度立てたら終わりではありません。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のサイクルを回し続けることで、計画精度を継続的に向上させることができます。

PDCAサイクルを回すことで、組織としての計画立案能力が向上し、より精度の高い生産計画を立てられるようになります。最初は小さな改善でも、それを積み重ねることで大きな成果につながります。重要なのは、一度の改善で満足せず、継続的に取り組む姿勢を持つことです。

生産計画における4Mを適切に管理する

生産計画の精度を高めるためには、「4M」と呼ばれる4つの要素を考慮することが重要です。4Mとは、Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)を指します。これらは生産活動を行う上で必要不可欠な要素であり、それぞれが相互に関連しながら生産計画全体に影響を与えます。

この4要素を分析し改善すると、潜在的な課題の気付きや解決を図ることに繋がります。生産計画を行う上でも、この4要素を考慮することは、実態に合った無理のない精度の高い計画を立てる上で必須の作業となります。4M全体をバランスよく管理することで、より実効性の高い生産計画が実現できるでしょう。

4Mについて詳しくは「【具体例あり】製造業における4Mとは?変更管理や活用方法について詳しく解説」をご覧ください。

精度の高い生産計画を立てて企業の競争力向上へ

生産計画とは、原料の仕入れから出荷までの全工程を網羅し、いつまでにどのくらいの量を生産するかを明確にした計画です。適切な生産計画を立てることで、納期遵守、在庫最適化、生産効率向上といった効果が期待できます。製造業において生産計画は企業の競争力を左右する重要な要素であり、その精度が業績に直結すると言っても過言ではありません。

生産計画を立てる際には、いくつかの重要なポイントを押さえることが必要です。まず、段階的な計画立案が基本となります。そしてPDCAを回して最適化を目指す。この取り組みでより精度の高い生産計画を立てることができます。

完璧な計画を最初から作ることは難しいですが、継続的な改善により、着実に精度を高めることができます。現場の実態を正しく把握し、柔軟に対応できる計画を立てることが、これからの製造業に求められる姿勢と言えるでしょう。

ニチダイフィルタは積層焼結金網フィルターの生産能力で世界一を誇るメーカーとして、50年以上の実績と技術力でお客様のあらゆるニーズにお応えしています。設計から製造、アフターサービスまでの一気通貫体制により、現場の課題に的確にお応えします。なにかお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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