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ブログ・コラム

メッシュフィルターとは?使用用途やどのような種類、使用例などを詳しく解説!

2025/11/26

  • 業務改善の紹介

製造現場において、品質向上は常に重要な課題です。工程管理の徹底、設備の更新、原材料の見直しなど、さまざまな取り組みが行われていますが、意外と見落とされがちなのが「フィルター」の存在です。

フィルター性能が劣化すると、不純物の混入や異物による不良が発生し、ろ過精度も不安定になります。その結果、製品品質の低下を招く恐れがあるため、適切なフィルター選定が欠かせません。

フィルターにはさまざまな種類がありますが、中でも「メッシュフィルター」は多くの方が耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかしメッシュフィルターにも、材質や構造によって多くの種類に分かれており、「自社の製造工程にどれが最適なのか分からない」という声をよく耳にします。

本記事では、メッシュフィルターの基礎知識から業界別の用途、具体的な選定基準まで体系的に解説します。適切なフィルター選びによって、品質課題解決への道筋が見えてくるはずです。

後述しますが、メッシュフィルターの中でもニチダイフィルタが独自に製造している「積層焼結金網フィルター」は高性能フィルターとして国産ロケットにも使用されています。詳しくはこちらをご覧ください。

メッシュフィルターとは?

メッシュフィルターとは液体や気体などの流体に含まれる不純物や異物を、メッシュ(網目)状の構造で取り除くための「ろ過器」です。産業機器から家電、医療分野まで幅広く利用され、取り除く対象の粒子サイズや環境に応じて、さまざまな材質、織り方、形状のフィルターが使われます。

ちなみにメッシュとは、1インチ(約25.4mm)の長さに存在するフィルターの開口数を表す単位を指します。

例えば50メッシュのフィルターであれば、1インチあたり50個の開口が存在します。つまり、メッシュ数が大きいほど開口が細かくなるということです。

一般的に、メッシュ数が増えるほど開口サイズは小さくなり、より微細な粒子を捕集できるようになります。

メッシュフィルターの材質

使用環境や流体の性質に応じて、ステンレス、ニッケル・チタン合金、プラスチック、フッ素樹脂など多様な材質があります。

メッシュフィルターの規格

メッシュフィルターにはいくつかの国際的な規格が存在します。その中でも代表的なものに、ASTM規格とISO規格があります。

  • ASTM規格

米国試験材料協会(ASTM International)によって策定される国際的な民間規格です。世界最大規模の規格策定機関として、金属、ゴム、石油、建材、環境など130を超える分野にわたって、材料や製品の試験方法・性能基準を定めています。

  • ISO規格

ISO(国際標準化機構)は、世界共通の国際規格を策定する非政府組織です。各国の標準化団体が共同で策定しており、グローバルに統一された製品品質や安全基準を提供しています。 

メッシュフィルターの用途と主な例 

メッシュフィルターの用途としては以下のような用途があります。

用途特徴
ろ過液体やガス、ポリマー中の不純物を除去する
発泡液体中にガスを均一に分散させる
粉体処理給気では粉体が凝固しないようにする、脱気では発塵を押さえる
防護粉塵やガス、衝撃などを防ぐ
その他消音やデザインなど



ろ過(液体・気体・ポリマー)

メッシュフィルターの最も代表的な用途がろ過です。ろ過用途は対象となる物質によって大きく3種類に分類されます。

液体のろ過

多孔性を活かして液体や流体中に混入した特定物質を効果的に分別・除去します。食品業界では飲料水などの液体中の異物除去に使用され、製品の安全性と品質を保証しています。また、環境・水処理業界においては、浄水処理や排水処理の重要な役割を担い、クリーンな水環境の維持に貢献しています。

ガスのろ過

液体と同様にガス中の微粒子や異物を高精度で除去します。特に半導体業界では、製造工程で超清浄なガスが求められるため、ガス中の微細な粒子を取り除く用途で不可欠な存在となっています。


ポリマーのろ過

液体やガスと同様の原理でポリマー中の不純物を除去し、製品の品質向上に寄与しています。

発泡

多孔質構造の特性を利用して、液体中への均一で微細なガス分散を行います。この技術は化学反応の促進や、排水処理における酸素供給など、幅広い分野で活用されています。

粉体処理(給気、脱気)

小麦粉などの粉粒状物質は、粒子が非常に小さく軽いため網目を通過しにくい特性があります。さらに、粉体には凝集性という性質があり、一度固まると流動性が著しく低下してしまいます。

そこで「給気」と呼ばれる作業では、焼結フィルターの多孔質構造を活用し、粉体間に均等に空気を供給します。これにより粉体の凝固を防止しながら、効率的なふるい分けを可能にします。

一方、脱気作業は空気を抜く処理を指します。代表的な応用例として脱気充填があり、オーガースクリューで搬送される粉体に含まれる空気を、脱気フィルターを通じて真空状態で除去します。この処理により、粉体の発塵抑制と嵩密度の向上を同時に実現できます。また、発塵が抑えられることで作業環境でのトラブル防止にもつながり、ここでも焼結フィルターの微細な多孔質構造が効率的な空気除去を可能にしています。

防護

設備や機器にメッシュフィルターを設置することで、粉塵やガス、衝撃などから保護する用途にも使用されます。金属材質であるため、他材質のフィルターと比較して耐久性が高く、強固な防護対策として非常に有効です。

その他

上記以外にも、消音対策や成形型、デザイン用途など、メッシュフィルターは多様な分野で活用されています。

メッシュフィルターは、その優れた特性により産業界の様々なニーズに応える重要な役割を果たしています。用途に応じた最適なフィルター選定により、生産効率の向上や品質管理の強化が期待できます。



メッシュフィルターの業界別用途

メッシュフィルターは業界別に、以下のような用途で使用されます。

業界主な用途
食品業界・飲料製造(清涼飲料水、ジュース、日本酒、醤油) ・食用油のろ過 ・粉末食品のふるい分け(小麦粉、そば粉、米粉、粉茶)など
医薬品業界・注射剤・輸液製造 ・原薬製造 ・バイオ医薬品製造
航空宇宙業界・航空機燃料系統 ・ロケット燃料 ・酸化剤供給系統
半導体・電子部品業界・プロセスガスのろ過 ・超純水製造 ・薬液ろ過(フォトレジスト、現像液、エッチング液) ・CMPスラリー
環境・エネルギー業界・上水道・下水道処理 ・工業排水処理 ・排ガス処理 ・バイオマス発電 ・地熱発電

食品業界

食品業界では、製品の安全性と品質維持のため、衛生基準を満たしながら高い異物除去性能が求められます。

例えば飲料製造では、清涼飲料水・ジュース・日本酒・醤油などの製造工程において、異物除去や固液分離のためにメッシュフィルターが利用されています。

また、食用油の製造では、揚げ油のろ過用として高温(180~200℃)に耐性のあるポリエステル(PET)メッシュが使用され、均一な網目で素早くろ過できる特長を生かしたケースもあります。

医薬品業界

医薬品業界では、人体に直接投与される製品を扱うため、最高レベルの清浄度と品質管理が要求されます。

特に注射剤・輸液製造では、無菌性が絶対条件となるため、0.2μm以下の孔径を持つメンブレンフィルターと組み合わせて使用されることが多いですが、前処理段階ではメッシュフィルターによる粗ろ過が実施されることもあります。


ほかにも原薬製造プロセスでは、化学合成や発酵によって得られた原薬を精製する際、結晶化や沈殿分離の工程でメッシュフィルターが活躍します。


航空宇宙業界

航空宇宙業界では、人命と高額な機体を守るため、極限環境下でも確実に機能する高信頼性部品が求められます。

航空機の燃料系統では、ジェット燃料中の水分や微細なゴミ、錆などを除去するために、多層構造のメッシュフィルターが採用されています。

ロケットや人工衛星では、液体燃料や酸化剤の供給系統において、極めて高い純度が要求されます。わずかな異物でも推進システムの故障につながる可能性があるため、超精密なメッシュフィルターが使用され、打ち上げ前の厳格な検査が実施されています。

ニチダイフィルタの国産ロケット打ち上げ事例

日本の宇宙開発においても、メッシュフィルター技術が重要な役割を果たしています。ニチダイフィルタは、2000年代初頭よりH-IIAロケットプロジェクトに参画し、極限環境下での信頼性が求められる積層焼結金網フィルター(メッシュフィルターの中でも高性能なフィルター)の供給を担ってきました。

宇宙空間では、高温・高圧・真空・振動といった過酷な条件が同時に存在します。H-IIAロケットでは「異物を確実に捕捉し、かつ流体の流れを妨げない」という相反する性能が求められ、わずかな不具合が全体のミッション失敗につながるため、製品には極めて高い精度と再現性が要求されました。

同社は、積層焼結技術を駆使し、複数層のステンレス金網を高精度で一体化。さらに、拡散接合や真空焼結といった高度な加工技術を導入し、微細なろ孔構造の均一性と強度を両立させました。また、全数検査体制を構築し、品質保証を徹底しています。

H-IIAロケットの運用終了後は、後継機であるH3ロケットへの参画が本格化しており、すでにH3ロケット向けにもフィルター部品を供給し、JAXAより感謝状を受けるなど、その貢献が評価されています。

詳しくはこちらをご覧ください。


出典:JAXA

半導体・電子部品業界

半導体製造では、ナノメートル(nm)レベルの微細加工が行われるため、超高純度の薬液やガスの管理が製品の歩留まりを左右します。

薬液ろ過システムでは、製造プロセスで使用される化学薬品中のパーティクル(微粒子)を除去するため、サブミクロンレベルの孔径を持つ精密メッシュフィルターが使用されています。

環境・エネルギー業界

環境保全と持続可能な社会の実現に向けて、メッシュフィルターは重要な役割を担っています。

水処理分野では、上水道・下水道処理施設において、砂・泥・藻類・浮遊物などを除去する前処理工程でメッシュフィルターが広く使用されています。特に自動逆洗機能を備えたスクリーンフィルターは、連続運転が可能で、メンテナンスコストの削減に貢献しています。

工業排水処理では、金属加工や化学プラント、食品工場などから排出される排水に含まれる固形物や油分を分離するために、ステンレス製の耐食性メッシュフィルターが採用されています。

このようにメッシュフィルターはさまざまな業界において活躍しており、その業界の発展を担っているのです。

業界別の用途としてこちらも参考になります。ぜひご覧ください。

メッシュフィルターの選び方 

メッシュフィルターの選び方としては以下のような基準を設けるとスムーズな選定につながります。


フィルターの使用環境


使用される使用環境や用途によって大きく使用するメッシュフィルターは異なります。例えば、化学薬品を取り扱う製造環境では、ISO規格に準拠した耐薬品性の高いメッシュフィルターを選定する必要があります。また、食品業界では食品衛生法やHACCP基準への適合が求められ、医薬品業界ではGMP(Good Manufacturing Practice)に対応した製品が必要となります。

使用温度や圧力条件、取り扱う流体の性質(酸性・アルカリ性・有機溶剤など)を事前に整理し、それらの条件に適した材質と構造を持つフィルターを選ぶことが重要です。

フィルターのメッシュ数や開口数

次に、メッシュフィルターのメッシュ数や開口数も重要です。

微細な粒子を捕捉する必要がある用途では、高いメッシュ数(細かい網目)を持つフィルターが求められます。一方、粗い粒子の除去や高流量が必要な場合には、低いメッシュ数(粗い網目)が適しています。

フィルターの耐久性・メンテナンス性

メッシュフィルターの耐久性は、長期的な運用コストに直結します。

初期投資は高くても、耐久性に優れたフィルターを選定することで、交換頻度の低減やダウンタイムの短縮により、トータルコストを大幅に削減できます。特に、洗浄・再利用が可能なメッシュフィルターは、使い捨てタイプと比較してランニングコストの面で優位性があります。

また、洗浄の容易さ、交換作業のシンプルさ、保守部品の入手性なども、メンテナンス性を評価する上で重要なポイントです。



フィルターメーカーの技術力・対応力

フィルターメーカーの技術力と柔軟な対応能力は、特殊な使用環境や独自の要求仕様がある場合に特に重要となります。標準品だけでなく、カスタマイズ対応が可能なメーカーを選定することで、自社の製造現場に最適化されたフィルターを導入できるでしょう。

実績や納入事例、品質管理体制(ISO9001認証の有無など)、アフターサービスの内容も確認し、信頼できるメーカーを選ぶことが重要です。

ニチダイフィルタの積層焼結金網フィルターとは

メッシュフィルターを導入検討しているのであれば、より高性能フィルターとして人気な積層焼結金網フィルターがおすすめです。ニチダイフィルタの独自技術により製造されており、多くの企業・業界で使用されています。一品一様で対応しているため、特殊な製造現場であっても使用できるケースもあります。ぜひこの機会にご相談下さい。

積層焼結金網フィルターの特長

積層焼結金網フィルターは、以下のような特長があります。


  • 高い強度

真空雰囲気中での高温拡散接合により、各層の金網が結晶レベルで一体化するため、圧倒的な機械的強度を実現しています。従来の金網フィルターと異なり、層間の剥離や変形が生じにくく、高圧・高流量条件下でも安定した性能を維持します。

また、優れた耐熱性・耐寒性を備えており、極低温から高温まで幅広い温度範囲での使用が可能です。この高強度特性により、航空宇宙、化学プラント、半導体製造など、過酷な環境下でも長期間にわたって信頼性の高いろ過性能を提供し続けます。

  • 高いろ過精度

積層された各層の金網が互いに交錯することで、微細で均一なろ孔構造を形成します。

これにより、従来の単層金網では捕捉が困難であった微小粒子(サブミクロンレベル)まで確実に除去することが可能です。この業界トップクラスのろ過精度により、医薬品製造、半導体プロセス、精密機器など、高い清浄度が求められる用途で多くの企業から選ばれています。

さらに、金網の積層枚数や線径、メッシュ数の組み合わせを調整することで、用途に応じた最適なろ過精度の設計が可能です。お客様の具体的なろ過要件に合わせたカスタマイズ提案も承っておりますので、ろ過精度でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

  • 洗浄性

積層焼結金網フィルターは従来フィルターを大きく上回る強度を持つため、高圧洗浄や逆流洗浄といった従来は困難だった洗浄方法が可能です。

これにより、目詰まりした粒子を効率的に除去でき、フィルターの性能を長期間維持することができます。また、専門の洗浄サービスを利用すれば、フィルターの再利用が可能となり、使い捨てフィルターと比較して大幅なコスト削減を実現します。

製品ラインナップとその特徴

ニチダイフィルタでは積層焼結金網フィルターを使用した製品を取り扱っています。

製品用途特長
ポアメット液体・ガス・ポリマーろ過、その他多くの用途あり高強度・耐熱性・耐寒性・高密度・洗浄性
ポアフロ整流、粉体処理(給気・脱気)、粉体処理(架橋防止)均一性・整流性・排出性・流動性
ボンメッシュ液体・ガス・ポリマーろ過、その他多くの用途あり高精度・洗浄性・透過性・耐久性





  • ポアメット
    ポアメットは、4層目5層目に平畳織金網を使用して補強しており、耐圧強度はあらゆるフィルタメディアの中で最大です。2~200ミクロンの幅広いろ過粒度で、幅広い用途をもつ汎用型フィルターです。

  • ポアフロ

ポアフロは、平畳織金網を2層または3層に重ねて、焼結、圧延を施し一体化した多機能多孔質材です。数十ミクロンから約100ミクロンの均一なサイズの細孔が分布し、さらに均等な圧力損失分布を有するパネルです。

  • ボンメッシュ

ろ材部に洗浄性に優れた平織金網を積層し、補強部材としてパンチングメタルを配置して一体焼結したタイプのフィルターです。

上記3つの製品で多様なニーズに対応しています。このほかにもお客様の要望に合わせた柔軟な対応を行います。

詳しくはこちらをご覧ください。

メッシュフィルター導入検討なら高性能な積層焼結金網フィルターがおすすめ

本記事では、メッシュフィルターの基本構造や材質、ろ過から発泡・粉体処理まで幅広い使用用途、さらに業界別の活用事例と選定基準について解説しました。

メッシュフィルターを導入するのであれば、機械的強度が高く耐久性に優れた積層焼結金網フィルターがおすすめです。独自の焼結技術により、高精度ろ過と長寿命を両立し、食品・医薬品から航空宇宙まで多様な産業で実績があります。

ニチダイフィルタは積層焼結金網フィルターの生産能力で世界一を誇るメーカーとして、50年以上の実績と技術力でお客様のあらゆるニーズにお応えしています。設計から製造、アフターサービスまでの一気通貫体制により、現場の課題に的確にお応えします。なにかお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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