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ブログ・コラム

【最新技術】チタン極細線×積層焼結金網フィルターとは?特長や事例などを詳しく解説

2025/12/18

  • 業務改善の紹介




近年、技術の発達により過酷な環境下でも安定した性能を発揮するチタン製フィルターが化学プラント、医薬品製造、食品加工など幅広い業界で注目を集めています。そこで本記事では、チタンフィルターの基本特性から最新技術、その活用事例まで詳しく解説します。

後述しますが、ニチダイフィルタでは独自の積層焼結金網フィルターと世界最細の50μmクラスのチタンを組み合わせることで、高耐食性・高強度を兼ね備えた新素材を開発しています。

ぜひこちらもご覧ください。

チタン製フィルターとは

特性チタン
軽量比重4.51で、銅の約1/2、鉄の約60%
耐食性白金に匹敵する耐食性
強度重さあたりでは、アルミニウムの約3倍、鉄の約2倍の強度
ほかにも良加工性、低膨張率、非磁性、低熱伝導率などさまざまな特性がある



チタン製フィルターとは、金属チタンを主材料として製造されたろ過装置です。チタンは比重4.51で、銅の約1/2、鉄の約60%という軽さを持ちながら、海水中では白金に匹敵する耐食性や重さあたりでは、アルミニウムの約3倍、鉄の約2倍の強度を発揮します。さらに錆びにくいという特性を持ち合わせています。


▶チタンの軽さ

▶チタンの耐食性

▶チタンの強度

引用:チタンの特性|一般社団法人日本チタン協会

この優れた特性により、従来のステンレスフィルターでは対応が困難だった高腐食性環境や、高い清浄度が求められる用途において、チタン製のフィルターは重要な役割を果たしています。

チタン製フィルターのメリット

チタン製のフィルターを使用することで得られるメリットとしては以下が挙げられます。

耐食性が優れている

チタンは硝酸・クローム酸等の酸化性薬品に対して従来の素材よりも高い耐食性があり、高温度・高濃度の場合でもきわめて優れた性能を発揮します 。特に塩化物に対してはチタンに匹敵する材料が無いほど格段に優れており、海水に対しては白金・金・銀に次いで耐食性を有する素材です。この特性により、ステンレスでは腐食が進行してしまう環境でも長期間安定した性能を維持できます。

高い強度で寿命が長い

チタンの比強度は金属の中で最大クラスであり、軽くて強いという特徴を持ちます。フィルターとして使用した場合、軽量でありながら高い機械的強度を保持するため、圧力変動や流体の衝撃に対しても変形しにくく、長期間の使用に耐えられます。

耐熱性が高い

チタンの溶融点は1668℃で、高い温度(500℃以下)でも高い強度を保てるため耐熱性が高く、自動車や航空機の耐熱性が要求される部品に使用されています。また、チタンは低温状態下でも急激な脆化現象を示さず、常温時と比較すると低温時に靱性を発揮します。この広い温度範囲での安定性により、さまざまな製造プロセスに対応できます。

ランニングコストを抑えられる

チタン製のフィルターは耐薬性も高いため、専用の薬剤でフィルターを清掃することで、ほかの素材に比べて多く使用することができます。これは環境にやさしいだけでなく、ンニングコストも削減できるため年間コストを低減することにも役立つでしょう。

【最新技術】チタン極細線×積層焼結金網フィルターとは



チタンフィルターの性能をさらに高める最新技術として、神鋼鋼線工業が誇る「世界最細クラスのチタン極細線」とニチダイフィルタの「積層焼結金網フィルター」を組み合わせた新しいフィルターが登場しました。この新素材は従来のチタンフィルターよりも格段に性能が向上しており、さまざまな業界での活躍が期待されています。

積層焼結金網フィルターについて詳しくはこちらをご覧ください。

世界最細クラス50µmチタン極細線とは

チタン線やチタン合金線に豊富な実績を有している神鋼鋼線が開発した、世界最細クラスとなる50µm(0.05mm)のチタン極細線は、従来のチタン線材と比較して著しく細く、これにより微細な網目構造を形成することが可能となります。毛髪(60μm)よりも細い、この極細線を用いることで、より高精度なろ過が実現でき、サブミクロンレベルの微粒子除去も可能になると期待されています。

チタン極細線×積層焼結金網フィルターのメリット

上記の世界最細クラスのチタン極細線と高性能で名高い積層焼結金網フィルターが組み合わさることで、以下のようなメリットがあります。

高耐食性と高強度で性能を維持できるようになる

チタン極細線単体では、細さゆえの強度不足が懸念されます。しかし、独自の拡散接合技術により積層焼結することで、一体構造化され高い強度を実現できます。チタンが持つ優れた耐食性・高強度と、積層焼結構造による高強度を融合させることで、過酷な環境下でもさらに安定・維持できるようになります

圧倒的な軽さにより設備負荷を低減できるようになる

チタンは比重4.51という特性により、ステンレス(比重約7.9)と比較して約40%も軽いです。この軽さにより、大型フィルター装置の設置作業やメンテナンス時の取り扱いを大幅に効率化し、作業者の負担を軽減します。さらに、フィルター自体の荷重が減少することで支持構造への負荷が下がり、設備全体の劣化を遅らせる効果も期待されています。

ステンレスでは不可能な極限環境でも使用できるようになる

チタンは塩化物に対してステンレスを大きく上回る耐食性を持ち、海水環境では白金に次ぐ性能を発揮します。高濃度の塩化物溶液や海水を扱うプラント、さらには高温・高濃度の酸化性薬品環境においても、ステンレスでは腐食が進行してしまう条件下で安定した性能を維持できます。特に化学プラントや海水淡水化施設など、従来はステンレスの限界により頻繁な交換が必要だった用途でも、チタン極細線と積層焼結金網フィルターを組み合わせることで安定した効果を発揮できるようになります。

チタン極細線×積層焼結金網フィルターの活躍が期待される適用分野

このようにチタン極細線と積層焼結金網フィルターを組み合わせた新素材は以下のような分野で活躍が期待されています。

医療機器分野

チタンは水に触れてもイオンがほとんど析出しないため金属アレルギーを引き起こしにくく、有毒性もないため人体に優しい安全性の高い金属です。50µmチタン極細線×積層焼結金網フィルターは、この生体適合性と高精度ろ過性能を活かし、医薬品製造における無菌ろ過、透析装置用フィルター、医療用ガスの清浄化など、人体に直接関わる用途での活用が期待されています。

化学プラント設備分野

チタンは硝酸・クローム酸等の酸化性薬品に優れた耐食性があり、高温度・高濃度の場合でも安定した効果を発揮できます。化学プラントにおける腐食性液体のろ過、触媒回収、溶剤精製など、厳しい化学環境下でのろ過プロセスに最適で、従来のステンレスフィルターでは腐食が問題となっていた用途でも、長期間安定した運転が可能となります。

海洋・エネルギー関連機器分野

チタンは海水中では白金に匹敵する耐食性を発揮することから、海水淡水化プラント、海洋調査機器、海底資源開発装置など、海水に接触する環境でのろ過用途に適しています。また、CFRPはチタンとの相性が良く、電位差による異種金属接触腐食が起こらないため、炭素繊維複合材料を使用する最新型の航空機や風力発電設備などにも応用が広がっています。

ロケット航空宇宙分野

航空宇宙分野では軽量化が至上命題です。そこでチタンの軽さ、そして比強度の高さ(重さあたりの強度が金属の中で最大クラス)は欠かせない要素となるでしょう。50µmチタン極細線×積層焼結金網フィルターは、ロケットエンジンの推進剤ろ過システム、航空機の燃料・油圧システム、衛星搭載用の流体制御装置など、わずかな重量増加も許されない部品に最適です。

実際に積層焼結金網フィルターは国産ロケットに採用されるほど信頼性の高いフィルターのため、ロケット航空宇宙分野においては欠かせない存在となっています。詳しくはこちらをご覧ください。

引用:JAXA

その他の先端分野

半導体製造装置における超高純度ガス・薬液のろ過、燃料電池における水素ガスの清浄化など極限環境や超高清浄度が要求される先端分野での活用も期待されています。

このように50µmチタン極細線×積層焼結金網という新たな組み合わせにより、これまで実現が困難だった用途への適用が可能となります。

チタン極細線×積層焼結金網フィルターで未来の可能性を広げよう

本記事では、チタンフィルターの基本特性から最新技術まで詳しく解説しました。軽い・錆びない・強いという三大特性を持つチタンに、世界最細クラス50µmの極細線と積層焼結金網という先進技術を組み合わせることで、従来のフィルターを大きく上回る耐食性・強度・ろ過精度を実現しています。

医療機器から化学プラント、海洋・エネルギー関連機器まで、幅広い先端分野での活用が期待されるこの技術は、日本だけでなく世界中の製造現場において、次世代の品質向上・効率化を支える新素材として、大きな期待が寄せられています。

ニチダイフィルタは積層焼結金網フィルターの生産能力で世界一を誇るメーカーとして、50年以上の実績と技術力でお客様のあらゆるニーズにお応えしています。設計から製造、アフターサービスまでの一気通貫体制により、現場の課題に的確にお応えします。なにかお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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