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ブログ・コラム

【工場の改善提案ネタ20選】今すぐできる!改善提案ネタをわかりやすく解説!

2025/07/03

  • 業務改善の紹介

自社で実施される改善提案会議などで「ネタが思いつかない」「他の人と被ってしまう」とお悩みではありませんか?現場では日々多くの改善が行われることも多く、新しいアイデアを見つけるのは確かに困難です。しかし、視点を変えれば改善の余地はまだまだ存在します。
本記事では、5S活動から品質向上まで、実践的な改善提案ネタを20選ご紹介します。ぜひご活用ください。
ほかにも改善アイデアについては「【フィルター性能が重要?】工場改善アイデア12選!具体例を交えてわかりやすく解説!」でご紹介していますので、あわせてご覧ください。

工場における改善提案ネタ20選 【分野別に解説】

【5S・整理整頓】すぐに実践できる改善ネタ(4選)
改善施策として代表的な5Sや整理整頓に関連した改善ネタを4選紹介します。

  1. 工具・部品の定位置管理やラベリング

    工場で使用する工具や部品の定位置管理は、5Sの整理・整頓において基本的な取り組みの一つです。専用の保管場所を設定し、工具の形に合わせたラベルや影絵表示を活用することで、使用後の戻し忘れや紛失を防げます。また、使用頻度別に配置することで、作業者の動線を最適化できます。この取り組みにより探し物時間を大幅に削減し、安定した稼働を実現します。

  2. 個人ロッカー・デスクの標準化ルール

    職場の個人スペースにルールを設けることで、全体的な整理整頓レベルを向上させる方法も代表的な改善提案の一つです。まず、デスク上に置ける私物は「よく使う文房具3点まで」「家族写真1枚まで」といった具体的なルールを策定します。引き出し内も「上段は筆記用具、中段は書類、下段は個人用品」と用途別に区分けし、不要な物の蓄積を防ぎます。 月末には「デスクチェック日」を設定し、チェックリストを使って自己点検を実施。違反が続く場合は上司との面談を行い、改善をサポートします。個人の意識改革と職場全体の美観向上を同時に実現できる効果的な5S活動です。

  3. 作業台の適切なレイアウト

    作業台の配置場所を最適化することで作業品質のばらつきを解消し、安定した品質と効率を確保します。まずは最適な作業手順を分析し、必要な工具や部品を手の届く範囲に配置するようにします。この時、右利き・左利きに対応した配置や、作業頻度に応じた距離設定などを考慮することで、無駄な動作を削減できます。さらに、高さ調整可能な作業台や照明の角度調整により、作業者の疲労軽減と品質向上を図れます。

  4. 清掃チェックリストで見える化

    5Sの清掃は綺麗に掃除するだけでなく、整理・整頓されているかチェックする役割も兼ねています。そこで清掃チェックリストを作成し、清掃状態を見える化することで、職場の安全性と品質向上に期待できます。
    各エリアの清掃項目を具体的に明記し、実施頻度や責任者を明確にしたチェックリストを作業現場に掲示します。QRコードを活用したデジタルチェックシートを導入すれば、スマートフォンやタブレットで簡単に記録でき、リアルタイムでの進捗確認が可能です。また、清掃前後の写真を添付する機能を追加することで、改善効果の可視化と継続的な意識向上を促進できます。これらの月次での集計データを活用し、問題箇所の特定や清掃方法の改善にもつなげられます。

【作業効率・動線】無駄を削減する改善ネタ(3選)
次に工場でよくある「無駄」を削減するための改善ネタを3選紹介します。

  1. 作業手順の標準化

    作業手順の標準化(マニュアル化)は、品質の安定と作業時間の短縮を同時に実現します。作業手順が標準化されていないと、作業者ごとに作業品質や作業時間のばらつきが発生し、無駄な時間・労力がかかる恐れがあるため、標準化は重要です。
    具体的には熟練作業者の動作を動画撮影し、最適な手順を分析・文書化することで、誰でも同じ品質で作業できる環境を構築します。作業手順書には写真や図解を多用し、新人でも理解しやすい内容にすることが重要です。

  2. 部品供給ルートの最適化

    部品を供給する際の使用ルート最適化は、物流コストの削減と作業効率向上を実現します。まずは工場レイアウトを改めて分析し、部品の使用頻度等を考慮した最短のルートを設計します。さらに、部品補充のタイミングも見える化できると、在庫の適正化と運搬作業の効率化を図れます。予算に余裕があればAGV(無人搬送車)の導入も検討し、人的リソースをより付加価値の高い作業に集中させることが可能です。

  3. 待ち時間削減のための段取り改善

    段取り改善は、設備の稼働率向上と生産性アップに直結します。段取り作業を「内段取り(設備停止中の作業)」と「外段取り(設備稼働中の作業)」に分類し、可能な限り外段取り化を進めます
    治具や工具の事前準備、標準化された段取り手順書の作成により、作業時間を大幅に短縮できます。また、段取り専用の作業台設置や、次工程用部品の事前準備システムを構築することで、設備停止時間を最小限に抑制します。段取り時間も見える化することで、改善効果を数値で把握し、継続的な改善活動につなげられます。

  4. 作業者間の情報共有システム構築

    作業者間の情報共有を効率化することは、チーム全体の生産性向上に不可欠です。デジタル掲示板やタブレット端末を活用すれば、リアルタイムでの生産状況、品質情報、改善提案の共有が可能です。また、班長やリーダーからの指示事項を一元管理し、全作業者が同じ情報を確認できる環境を構築できると、連絡ミスや二重手間などの無駄を防げます。
    作業者からのフィードバックや改善アイデアを収集するシステムも構築できれば、現場の声を活かした継続的な改善活動がさらに促進するでしょう。

【安全・環境】リスクを軽減させる改善ネタ(3選)
安全対策・リスクを軽減できる改善ネタを3選紹介します。

  1. 危険箇所の見える化と注意喚起

    危険箇所の見える化は、労働災害の未然防止に最も効果的な安全対策です。まずは工場内のリスクアセスメントを実施し、挟まれ・巻き込まれ、転倒、切創などの危険箇所を特定します。カラーコーンや蛍光テープ、図版などを活用した視覚的な注意喚起に加え、近接センサーによる音声アラートシステムを導入することで、作業者の安全意識を高められます。
    次に危険度別に色分けしたハザードマップを作成し、新人教育や安全パトロールに活用することで、全員参加型の安全管理体制を構築できます。最後に定期的な見直しを行うことで、新たなリスクの早期発見と対策強化を図れます。

  2. 作業環境の照明・換気改善

    適切な照明と換気は、作業者の事故防止と作業品質向上に役立ちます。適切な照度にするためには照度計を用いた測定を実施しましょう。細かい作業には局所照明を追加し、影の発生を抑制することで事故リスクの低減・検査精度の向上につながります。
    換気については、有害ガスや粉塵などが発生される可能性が高い発生源に局所排気装置を設置し、作業者の健康被害を防止します。さらに温湿度管理システムを導入すると、季節に応じた最適な作業環境を維持し、熱中症や体調不良のリスクを軽減できます。

  3. 緊急時対応手順の明確化

    火災や地震、設備事故、労働災害など緊急時には、想定される緊急事態ごとに具体的な対応フローを事前に策定し、全作業者に周知徹底しましょう。例えば避難経路図を各所に掲示し、蓄光材を使用した誘導表示により、停電時でも安全な避難が可能な環境を整備します。定期的な避難訓練と緊急事態対応訓練を実施し、実際の行動力を向上させることも重要です。 ほかにも緊急連絡先の一覧表示や応急処置用品の配置、AED設置により、初動対応の迅速化を図り、被害の拡大防止と人命保護を最優先とした体制を構築できます。

【コスト削減】経営に直結する改善ネタ(4選)
工場の無駄なコスト削減は企業の収益改善に直結します。改善ネタを4選紹介します。

  1. エネルギー使用量の見える化

    工場のエネルギー使用量を見える化することで、企業のランニングコスト削減に役立ちます。例えば工場内の機器設備にスマートメーターや電力監視システムを導入することで、設備別・時間別の電力消費量をリアルタイムで把握できます。このようにエネルギー使用量を見える化し全社で共有することで、現在どのようにエネルギーが使用されるかを把握できます。これにより一人一人の節電・省エネ意識が高まり、ピーク電力の削減や待機電力の最適化につながります。
    また、月次でのエネルギー消費量分析により、設備の効率的な運転計画を策定できます。LED照明への切り替えや高効率設備への更新投資の効果測定にも活用できるでしょう。

  2. 消耗品使用量の管理・削減

    切削工具や研磨材、潤滑油、清拭材などの消耗品の使用量を適切に管理することは、コスト削減に大きく役立ちます。具体的には消耗品の使用量を作業者別・設備別に記録し、標準使用量との比較分析を行うことで、そのギャップの要因を探ることができ、最適化が可能です。加えて在庫管理システムと連携すれば、効率的に発注点の最適化と過剰在庫の削減が可能です。
    また、長寿命・安価な代替品の導入により、さらにコストの大幅削減が可能になります。

  3. 設備稼働率向上による生産性アップ

    設備稼働率の向上は、投資効率の最大化と生産能力向上を実現する重要な取り組みです。設備の停止要因を「故障」「段取り」「材料待ち」「品質不良」に分類し、それぞれの対策を講じます。
    稼働率向上のためには、予防保全の強化が効果的です。これにより可能な限り計画外停止を削減・復旧時間の短縮につながります。また、IoT技術を駆使した稼働率を見える化することで、改善効果を数値で把握し、設備投資の判断材料としても活用できます。
    稼働率・可動率について詳しくは「可動率とは?向上させるメリットと低下要因、効果的な改善策を徹底解説」をご覧ください。

  4. 在庫管理の最適化

    在庫管理の最適化は、キャッシュフローの改善と保管コストの削減に貢献します。例えばABC分析により重要度別に在庫を分類し、高回転品は頻繁な発注、低回転品は長期契約による単価削減を図ります。また、IoTタグやバーコードシステムを活用することで、リアルタイムでの在庫数量把握と自動発注システムを構築できます。需要予測システムと連携し、季節変動や市場動向を考慮した適正在庫レベルの設定が可能です。
    ほかにもデッドストックの定期的な見直しと処分により、保管スペースの有効活用と資金の健全化を実現できます。

【デジタル化】DX推進につながる改善ネタ(2選)
近年、省力化・省人化などを目的としたDX推進が多くの企業で取り組まれています。そこで改善ネタを2選紹介します。

  1. 紙ベース管理をデジタル化

    紙ベースで管理していた業務をデジタル化することは、業務効率化と情報共有の迅速化を実現するDXの基礎となる取り組みです。作業日報や検査記録、設備点検表などをタブレットやスマートフォンで入力できるシステムに移行することで、データの一元管理を実現できます。手書き文字の読み取りエラーや紛失リスクを解消するだけでなく、リアルタイムでのデータ活用が可能となるため、さらなる工場の改善活動に役立ちます。

  2. IoTセンサーやAIなどの先端技術を活用した設備監視

    先述したように工場内のあらゆる機器設備にIoTセンサーを設置することで、設備の稼働状況やエネルギー使用量をリアルタイムで可視化できます。さらに、AI技術を組み合わせることで、人間では見落としがちな微細な変化も捉えることが可能になり、突発的な故障を未然に防ぐことができます。
    こうして蓄積されたデータを分析すれば、設備の劣化パターンや最適なメンテナンス時期を予測できるようになります。その結果、計画的な保全活動により設備寿命を延ばし、同時にメンテナンスコストの削減も実現できるのです。

【品質向上】製品品質を左右する改善ネタ(4選)
製品の品質向上は工場や企業にとって多くのメリットがあります。そこで製品品質を改善するネタを4選紹介します。

  1. 検査工程の精度向上と自動化

    検査工程の精度向上と自動化は、製品品質の安定化と検査効率の向上を可能にする重要な取り組みです。近年、急速に精度が発達した画像認識技術を活用することで、従来発生していた人間による誤認・未発見要素を排除し、24時間安定した検査精度を維持できます。
    また、同様に3Dスキャナーや高精度測定器を活用すれば、従来の官能検査では検出困難な微細な不良も発見できるでしょう。これらに加えて検査結果をデータベース化することで、不良原因の迅速な特定と再発防止策の策定を効率的に行え、継続的な品質改善活動を推進できます。

  2. 作業ミス防止のためのポカヨケ導入

    ポカヨケ(作業ミス防止装置)の導入は、人的エラーによる品質不良を根本的に防止します。例えば部品の向きや取り付け位置を物理的に制約することで、間違った組み立てを未然に防ぎます。ほかにもセンサーやスイッチを活用した作業順序の強制システムにより、手順飛ばしや作業漏れを防止できます。
    このような取り組みにより、作業者のスキルレベルに依存しない品質確保が可能となります。

  3. 異物混入防止のためのフィルター性能見直し

    製造現場では、フィルターの劣化が製品品質に深刻な影響を与える可能性があります。古い・破損したフィルターでは異物を効率的に捕集できず、最終製品に不純物が混入するリスクが高まってしまいます。
    そのため、定期的にフィルター性能を見直し、より高性能な製品への更新を検討することが重要です。特に、強度や耐熱・耐寒・耐酸性などに優れたフィルターを選択することで、長期間安定したフィルター稼働が可能になります。
    フィルターの見直しはよく見落とされがちなため、この機会にぜひ高性能なフィルターに切り替えることをおすすめします。

改善提案を成功させるための3つのポイント

改善提案を成功させるための3つのポイントを詳しく解説します。

課題の明確化・効果的な提案書作成

改善提案の成功には、現状の問題点を客観的なデータで裏付けることが重要です。単に「効率が悪い」「時間がかかる」といった主観的な表現ではなく、具体的な数値を用いて問題の深刻度を示します。例えば「作業時間が平均15分から25分へ67%も増加している」「不良率が月平均0.8%から1.5%へ悪化している」などの定量的な現状分析を行い、改善による効果予測も数値で示すことで説得力が格段に向上します。

提案書には5W1Hを明確にし、実施スケジュールや必要な予算、期待効果を具体的に記載しましょう。また、他社事例や類似改善の成功例を引用することで、提案の実現可能性と効果を客観的に証明できます。

上司や関係者への効果的なプレゼンテーション

改善提案を実際の行動に移すために必要なプレゼンテーションでは、相手の立場や関心事を理解した内容構成と適切なタイミング選択が鍵となります。経営陣には投資対効果やROI、現場管理者には作業効率や安全性向上といった、それぞれが重視する観点から提案内容を訴求します。プレゼン資料は1スライド1メッセージの原則で作成し、グラフや図表を活用して視覚的に理解しやすくします。発表時間は10分以内に収め、結論先行で要点を明確に伝えましょう。

質疑応答では想定される反対意見に対する回答も準備し、代替案や段階的実施プランも提示することで、柔軟性と実現性をアピールできます。

実施後の効果測定とフォローアップ体制

改善提案を真に成功させるには、実施後の効果測定と継続的な改善活動が欠かせません事前に設定したKPI(重要業績評価指標)に基づき、実施前後の数値を定期的に測定・比較します。効果測定は実施直後だけでなく、3ヶ月後、6ヶ月後といった中長期的な視点で行い、改善効果の持続性を確認します。想定した効果が得られない場合は、原因分析を行い、さらに追加改善策を検討しましょう。成功した改善事例は他部署への水平展開を図り、組織全体の改善を促進する文化の醸成につなげます。

また、改善提案者には適切な評価とフィードバックを行い、次の提案意欲を向上させる仕組みを構築することで、持続的な改善サイクルを実現できるでしょう。

改善提案を成功させるには現場の課題の把握が重要

本記事では、工場における改善提案のネタを5S・整理整頓、作業効率・動線、安全・環境、コスト削減、デジタル化、品質向上の6つの分野に分けて20選ご紹介しました。改善提案を成功させるためには、現場の課題を正確に把握し、定量的な効果を示すことが重要です。

特に注目すべきは、フィルター性能の見直しです。異物混入や設備トラブルの根本原因がフィルター性能にある場合も多く、適切なフィルター選定により大幅な改善効果が期待できます。

工場の改善活動に終わりはありません。今回ご紹介したアイデアを参考に、皆様の現場に適した改善提案を見つけていただければ幸いです。

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